シフォンケーキとランチのお店・トライムが朝日新聞・毎日新聞に取材されました。
朝日新聞は2021年5月23日版、毎日新聞は6月11日版です。更にKBS京都テレビでは6月15日(火)17:45~18:00に【newsフェイス】で取り上げられた内容が再放送されます!!
以下は【朝日新聞デジタル】より
https://www.asahi.com/articles/ASP5Q76P5P5NPLZB006.html
京都市伏見区にあるレストラン「トライム」は、知る人ぞ知る名店。店の一角を占める大きなプラレール展示が、料理とともに、多くの親子連れや鉄道ファンらを魅了してきた。ユニークな店構えの出発点は、難病を患った少年と店主の出会いにあるという。
黄色い柱が支える青いレールの上を、8両編成の新幹線700系やきかんしゃトーマスが軽快に走っていく。
「あっちもみてみたい」
22日、久御山町から誕生祝いで家族で来た吉田慎矢君(2)は、母親の胸のなかで、目の前の模型の数々に釘付けになっていた。
全長18メートルの巨大プラレール、エヴァ柄新幹線も
店内を飾るプラレールのジオラマ展示は幅7メートル、奥行き2メートル、高さ2メートル。全長18メートルのレールが複層構造で組み立てられ、エヴァンゲリオン柄の新幹線や、人気が高いドクターイエローなど約40種類の車両を走らせることができる。
プラレールは、玩具大手タカラトミーが1959年に発売した、幼児向け鉄道模型の代名詞ともいえる人気商品だ。国内外問わず、大人のファンも多く、鉄道会社の運転士の訓練にも使われている。
「まだ帰りたくないという子どもたちの声を聞くと、楽しんでもらえたんだなとうれしく思う。鉄道模型を懐かしむ大人も来られます」と、店主の小川清美さん(63)は話す。
トライムは、2016年に開店した。夫の治夫さん(65)と、治夫さんの元同僚の飛川和江さん(66)の3人による共同経営。誰も飲食店での勤務経験がなく、手探り状態だったが、一つだけ決めていた。
子どもたちの憩いの場にすることだ。
時は07年にさかのぼる。心理カウンセラーだった清美さんは、知人を介して、7歳の「マー君」と出会った。少年は自転車から転んで出血が止まらなくなり、治療先の病院で余命半年の白血病と診断されていた。
白血病の少年が打ち明けた最後の夢
マー君は清美さんとの面談で夢を語った。「もう一度、自転車に乗りたい」。これを知った両親が自転車を新調し、病室で一度だけ乗ることができた。その2カ月後、亡くなった。
「あの子の命を喜ばせてくれてありがとう」。マー君の母親に言われた言葉が原点になり、清美さんは、小児がん患者と家族をサポートするボランティア活動を始めた。その活動で、一人の少女に言われた「ケーキ屋になればいいのに」という一言が、トライムのヒントになったという。
無添加、手作りにこだわったケーキや料理を提供するだけでなく、子どもが心から喜ぶ場所にしたい。そこで、飛川さんが知人からプラレールを借り、お店に置くことに。車両を年々買い足し、「子どもが使わなくなったから」と提供してくれる人も現れた。
コロナ禍で経営きびしく
経営が軌道に乗りかけた矢先、コロナ禍に見舞われた。客足が遠のくようになり、経営はまた厳しくなった。SNSでの店のPR強化の準備を始めたほか、プラレールの購入費などに充てようと、4月からクラウドファンディング(CL)で支援を呼びかけている。
清美さんは言う。
「これでも続けられるのかと試されているよう。それでも、やるわよ」
Σχόλια